都市の問診

都市の問診

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出版社
鹿島出版会
著者名
饗庭伸
価格
2,200円(本体2,000円+税)
発行年月
2022年4月
判型
四六判
ISBN
9784306073593

「都市をたたむ」理論の先へ。
私たちは、私たちを支える都市をどのようにつくれるのか。都市計画では何ができるのだろうか。まちの臨床で考え抜かれた、都市を読み解き、言葉をつくり、計画を組み立てる方法を伝授する。

「医療と同じように、都市の問診は専門性がとても高い技術である。目の前の相手に対して、ただ相槌を打つ、ただ共感をする、ただ「相手の立場に立って考える」だけでは意味がない。目の前にいない人たちのことを考え、土地や建物や自然の声を聞き、空間を使った解決を考え、言葉を組み立てて伝える、そこまでのことをやらなくてはならない。私なりに考えて、実践してきた都市の問診の技術をまとめたものが本書である。」

「自然と人、農地と都市、ふたつの産業と住宅地と、私たちは国土を分けて使いこなしてきた。そしてその使いこなしのための制度を発達させてきた。その分け方を少し変えてみる、ひっくり返してみると、これまで使えないと思っていた制度を使うことができるようになるかもしれない。
私たちの社会がまだ、国土をすみずみまで使い切り、国民が抱える問題の総量をできるだけ減らす、ということをめざしているのであれば、さまざまなスケールで発達した制度を理解し、それを創造的に組み合わせて使いこなしていく、まだまだそんなことができるはずだ」

「大学では建築を勉強して、この仕事を続けてきて25年ほどになる。最初は住宅のことしかわからなかった。あちこちを見て、不十分ながら勉強を重ねてきて、ここに書いたような、大ざっぱな風呂敷を広げることができるようになった。その風呂敷は穴だらけのはずである。残りの仕事の時間は25年ほどだろうか。それほど勤勉ではないので、すべてを知ることはできないだろう。このアンソロジーは、そんな穴だらけの風呂敷を伝えるものである」――本文より

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