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はじめに 二〇二二年二月二四日、ロシアがウクライナに侵攻し、本書の舞台となったキエフ(キーウ)北方の地は再び戦場と化した。不幸なことではあるが、本書におけるプリピャチ湿地の戦闘やウクライナ人のロシア人に対する感情などの描写はアクチュアルな意味を持つことになってしまった。
本書が一日も早く「歴史書」に戻ることを祈りつつ、後世のために、この邦訳が刊行された時期の状況を付記しておく。
ドイツ特殊部隊「ブランデンブルク」
これまで具体的な活動がほとんど知られることのなかった「ブランデンブルク」の元隊員による回想録。
同部隊の特性や独ソ戦での対パルチザン活動、不快極まる湿地帯での作戦行動、イタリア山岳地帯での活動等々……戦時中の日記などを基に活写されている。
さらに敗戦後はブランデンブルク隊員であったことから「戦犯」として一〇年の長きにわたってソ連に抑留。
労働収容所や刑務所での過酷な体験、父親との再会と別れ、脱走の試みなど、当事者の得難い証言をまとめた貴重な史料!
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