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本書は、「中学受験・大手塾が合わない子の国語の教科書」である。
みなさんは「中学受験の国語ができる子の二つの事実」を知っているだろうか?
一つ目は、国語ができる子は「大手塾に入る前からすでにできている」という事実。
つまり国語ができる子は、そもそも国語を勉強していない。
著者も国語が苦手で、10以上の大小の塾や通信教育、個人指導も受けたが一向に伸びず、国語が足を引っ張ぱり浪人も経験。
本書では、経験も活かし国語ができる子とできない子の比較をしながら課題を詳しく解説。
本書の目的は、国語ができる子が入塾前に身につけている基礎・土台にあたる部分を、できない子に身につけてもらうことである。それを「国語の心得」と名づけた。具体的には三つの取り組み方と四つの考え方に分けられる。これらが身につけば、大手塾の集団授業での理解も進み、演習でも伸びる。身についていない子は、複数年集団授業を受けても伸びない。ここには大きな原因がある。
二つ目は、「集団授業を受信できる子」という事実。
集団授業では難関校合格に向けたカリキュラムと、子供の課題を解決するための策を提示していく。これを受信できる子は、塾が設定したカリキュラムについていける子であり、塾が想定した課題とのギャップは少ない。発信される情報を集中して聞き、理解することができる子は、つまり受信できる子である。
一方で大手塾に合わない子は「受信できない子」である。原因としては、子供が抱える課題と塾の想定している課題がズレているか、子供が想定外の課題を持っているかである。
ここで重要なのは、子供一人一人の課題をきちんと理解することである。授業や解決策を提示する前段階の話だが、本書ではそれを「聞く授業」と呼んでいる。子供の課題から授業する著者の聞く授業と、志望校合格へ向けた発信する大手塾の集団授業や、有名ユーチューバーの講義とは出発点がそもそも違うのである。
著者は1対1の個別指導塾講師であり、中学受験生である子供の一人一人が抱える特殊な課題の理解に努めてきた。それは個別性が高い(特殊かつ多様)ことが原因となっていることを見つける。
集団授業や動画配信する授業は汎用性、網羅性がある一方特殊性はなく、多様ではない。国語が苦手な子には理解することが難しい。
「できない子の現実」と一人一人と向き合い続けて20年。子供たちの声を「聞く」ことに努める指導を積み上げ、個別性と特殊性を重点においた結晶のような国語の教科書である。
わかりやすい表現や言葉を厳選し、保護者はもちろん、読むことに慣れてきたら高学年の小学生も読みとくことが可能。
本書のエッセンスは、「大手塾とは違う ! 個性と主観重視する」、「アニメ、漫画、ドラマ等も使って学べる」、「簡単 ! 親が読めば子を伸ばせる」など。
株式会社吉野家ホールディングス代表取締役社長・河村泰貴氏との「スペシャル対談」も掲載されております。
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