本書は,材料の力学の基本である切断法→自由体線図→力の釣合いという設計やものづくりに必須のアプローチを演習によって身につけることを目的としている.機械や構造物を仮想的に切断し,切断した物体のある部分に注目して,力の釣合いを考えることで,実際の機械や構造に作用する力が明確になる.その練習には,多くの実際の問題を自分自身で考え,SFD(せん断力図)・BMD(曲げモーメント図)を解いてみるのがよい.
本書の内容は,材料力学分野で基本となる直線棒の引張り・曲げ・ねじり・座屈による応力や変形の理論を中心としており,公式から応用的な問題まで幅広く演習し身に着けることができるよう構成している.
1章および2章は,材料力学の基礎となるSFD・BMDと応力とひずみの基礎式を統一的に導出する演習とした.3章以降は,各荷重形式に対応した演習問題を解くことで,切断法→自由体線図→力の釣合いのアプローチが身につくようにしている.特に,6章のはりのたわみの不静定問題,9章の弾性力学の基礎では,実用的かつ特色のある問題を取り上げ,材料の力学の理解が深まり,応用力も向上するように配慮した.
本書を通じて,材料の力学を統一的な手順で解決する手法を身につけていただければ幸いである.
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