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アメリカの気鋭の人類学者が21世紀初頭の日本でフィールドワーク。親族は長く文化人類学の中心課題だが、離婚を主題に据える研究はこれまでほとんどなかった。
親密に、別れる? 不安の時代、離婚は妻が切り出すものになったのだろうか?
離婚には、個人、家族、国家のレベルで、他者との親密な関係性とその理想をめぐるどのような意識が映し出されているのか。変容する家族規範、自立のロマンス、新自由主義、ジェンダー、法律、親権、別居家族、拡大家族、熟年離婚、婚活、負け犬、電車男……〈私が関心を向けたのは、人が私に何を伝えようとしたのかであり、正当なまたは理屈の通らない離婚を説明するために持ち出される詳細な叙述であり、そして自分が言いたいことをどのようにして語るのかという点だった〉〈離婚という出来事がどのようにして他の生活の側面に収まっていくのかという点に注意を傾け、多くの人と話をし、ただそれだけではなくその人たちの人生に寄り添うことにも全力を尽くした〉(序論)。
つながりと別れ、そして新たなつながり。
異文化の調査者としてのクリティカルな眼差しと、友人としての感情が豊かに交差する地点で、現代日本社会の姿を現実の複雑さのままみずみずしく描いた民族誌的成果。
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