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「近代オリンピックの創始者、クベルタン男爵が語ったとされる言葉を言い換え、補足するなら、
大切なのは「勝つ」ことではなく、参加することだ。
大切なのは「到達」ではなく、そこに至る旅だ。
大切なのは「行い」ではなく、そうあろうとすることだ。
全世界が「努力する者」を称賛する――それは誰もが果たせること。真摯でたゆまず「努力する者」の「トップ」になることだ。
この「努力する者」、これからチャンピオンとなる者に、本書は捧げられる。」
――パーシー・ウェルズ・セラティ
●はしがき より
「真に偉大なアスリートは、余すところなく自分を表現したいという強い願望に突き動かされており、運動競技はその表現の場のひとつだ。
偉大なアスリートは「アーティスト」である。単なる「身体的な怪物」ではない。鍛錬の結果、他人の目にそう見えることはあっても、本人は自分がスポーツの神ではないと知っている。一般の基準ではおそらく高度に進化しているにせよ、あくまでも普通の、存分に活動する人間なのだと。さほど進化していない同輩の損傷や故障するポイントには無頓着だとしても、人間らしい人物、感情や知性、心(精神)の面で、もしかすると「普通の」人には想像もつかないレベルで機能する人物。だが、そのようなアスリートにして、個性の持ち主もひとりの人間であり、人間らしく誤りを犯しやすいことに変わりはない。
この本は、あなたがそんな人間、よりよい人間、ひとりのアスリートになるための手助けをするものだ。」
「われわれは往々にして、新しいものは間違っていると「感じる」傾向がある。伝統や容認されているもの、正統なものという型にはまっているためだ。異端は感情的にも知的にもきまって消化不良を引き起こす。新しいアイデアや思考、提案、構想を、単にそれが新しく、間違っていると「感じる」からといって拒絶してはならない。
長く生きれば生きるほど、人生や生活にはさまざまな展開があり、人はつねに再評価や再調整をし、拒絶したり取り入れたりしていかなければならない。そのことに気づかなければ、あなたはいつまでも子供のまま成長しない人々の仲間となる。
それはアスリートの技術にも当てはまる。過去に学んだよりもはるかに多くのことを「発見」しなければならない。ありふれた言い方になるが、未知のものは推測することすらできないからだ。
アスリートであるあなたは、自信をもって未来へ、「未知」へと進んでいけばいい。」
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