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波乱万丈の生涯、決定的評伝。
今日の日本のスキー文化の礎がここにある。
明治末期に来日したオーストリア・ハンガリー帝国の参謀将校レルヒ。
日本軍の要請で、滑走技術のみならず、競技会・スキーツアーの開催法、軍隊での雪中露営・行軍の方法など、体系的なスキー講習を行った。
レルヒは故国ウィーンで、ツダルスキーらと共にアルペンスキークラブの幹部として活躍し、帝国軍へのスキー導入も主導した、筋金入りのスキー愛好家だった。
本来の目的の軍事視察を終えて帰国したレルヒは、第一次大戦の戦禍のもと、最前線で闘いを続けた。しかし敗戦、故国は瓦解。苦悩の後半生となる。
しかし日本では、レルヒのまいた種が大きく成長していた…
新版では、レルヒ後の日本スキーの発展を描く新稿50ページを増補。
レルヒ離日後わずか10年余りで、今日まで続く全日本スキー選手権大会の第1回が開催された。
他のスポーツより数十年おくれて日本に導入されたにもかかわらず、瞬く間にオリンピック参加を目指すまでに飛躍した、その原動力は何だったのか?
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