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日本における建築遺産の保存は、精緻かつ科学的な体系を有しながら、解体修理の手法などに伝統を色濃く残してもいる。この特質がもつ意味を明らかにすべく、日本近代において建築保存概念が生成していく過程を近世からの継承と転換として論じていく。文化財保存の史的再読を通して日本の建築保存の意味の拡張を意図しつつ、近世近代建築史として伝統と西洋の混濁の具体的様相を描き出し、保存から日本と東アジアの新たな建築史叙述を志向する。建築史学会賞、日本建築学会賞、日本イコモス奨励賞を受賞した『建築保存概念の生成史』(2013年刊)の新装版。
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