循環器ジャーナル Vol.70 No.2(2022)

循環器薬の使い方 使い分け,モニタリング,導入・中止のタイミング

循環器ジャーナル

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出版社
医学書院
著者名
志賀剛
価格
4,400円(本体4,000円+税)
発行年月
2022年4月
判型
A4
ISBN
9784260029735

循環器領域では、多くの治療デバイスが登場し、今や非薬物治療なくして循環器疾患の治療は考えられない時代になっている。しかし、循環器疾患治療の基本は薬物治療であることには変わりない。安全でかつ最大の効果を引き出すためには、薬を使うタイミングとともに、病態に応じて増量・減量あるいは中止も必要になってくる。診療ガイドラインや成書では、薬の選択は示されても、このような患者背景に応じた考え方や使い方は示されていない。

 冠動脈インターベンション時代の今、より適切な抗血小板薬治療とはどのようなものか。また、冠動脈疾患の心血管イベント抑制には、いかに必要かつ十分な脂質管理を行うか。冠攣縮性狭心症は、カルシウム拮抗薬を中心とした薬物治療が基本であるが、患者の反応は一様でなく、奥が深い。古くから冠動脈疾患治療薬として使用されてきたβ遮断薬と硝酸薬を使用する場面とはどのようなものか。

 心不全症状の改善にはfirst-lineとなる利尿薬を、必要な場面でいかに適切に選択・使用するか。β遮断薬、レニン・アンジオテンシン系阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、心不全(収縮不全)の標準治療薬として確立しているが、その多面的役割を理解し、十分な用量まで使えているか。新しい心不全治療薬が登場してきたが、その導入タイミングや使い方はどうしたらよいのか。一方で、非代償期に用いられる静注血管拡張薬や強心薬をどう使いこなすか。近年使用頻度が減っているジゴキシンの役割は残されているのか。

 不整脈治療の中心となるβ遮断薬は、その選択や使い方をどうすべきか。1990年代以降、不整脈治療の表舞台から降ろされた感があるI群抗不整脈薬は、いまだfirst-lineの薬である。一方、主役となったアミオダロンやベプリジルは複雑な薬理作用と薬物動態を有しているが、効果的かつ安全に使うためにはどのようにすればよいのか。心房細動患者の抗凝固療法は直接型経口抗凝固薬の時代となったが、その中での使い分け、ワルファリンの必要な場面、侵襲的処置が必要な場面での対応はどうするのか。

 日常診療で悩むことも多い高血圧においては、家庭血圧をどう活用すべきか、白衣高血圧への対応、歴史の古いβ遮断薬や利尿薬の立ち位置や役割はどうなったのか。この20年間に各種肺高血圧治療薬が登場し、治療オプションは増えたが、どのような組み合わせが望ましいのか、そしてその導入タイミングと投与設計はどうするのか。

 循環器疾患患者には併存疾患を抱えた方も多く、併用薬によっては病態を悪化させることもあり、妊娠、加齢、多剤併用の影響も考慮する必要があるが、循環器診療で知っておくべき併用のポイントは何か。

 本特集ではこうした疑問に対し、薬物治療に精通した第一線の医師が、各循環器治療薬の基本的な考え方を踏まえ、実臨床での使い分け、治療中のモニタリング、注意点、さらに経験からのコツを解説する。

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