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10年ごとに繰り返される矛盾の正体と危機噴出の構図!
1994年から2014年まで20年間、中東各地に赴任して2003年のイラク戦争や
2011年の「アラブの春」、2014年の「イスラム国」(IS)の出現という
「中東危機」に遭遇したジャーナリストがこれまでの経験と蓄積された知識
によって読み解く錯綜する中東情勢への視座。
大国の介入という国際政治の不条理はもとより、権力の合掌連合や弾圧と抑圧
の強権政治がはびこる中東の国々では、言論の自由と報道の自由がないため、
迫り来る危機の予測は難しく、強権が抑えきれなくなったときに一気に爆発する。
そして中東で起きる戦争や政変、テロは、石油危機や流出する難民問題、
さらにはテロまで輸出する結果をもたらした。過激派組織「イスラム国」は
ほぼ制圧されたが、アフガンではタリバンが復権し、中東各国の治安は決して
落ち着いてはいない。
本書は起こり得る中東危機を考えるうえで示唆に富む好著である。
【目次】
まえがき
第1章 繰り返される中東危機── 1979年から始まった連鎖
第2章 危機の前にパレスチナが動く──「尊厳」の問題
第3章 噴出した若者パワーの行方──「アラブの春」第2弾
第4章 ムスリム同胞団は復活するのか──弾圧の下で
第5章 イラン・イスラエルの〝戦争〟は激化するか
第6章 「イスラム国」の再来の可能性とスンニ派の受難
第7章 イスラエルとアラブ国交正常化──平和か、危機か
第8章 中東分裂の構図──ぶつかる2つの枢軸
第9章 「対テロ戦争」が生む難民危機──空爆の破壊と殺戮
第10章 コロナ禍で増幅する矛盾──感染対策が治安対策へ
中東危機年表
あとがき
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