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『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)の後、世界は暗転してしまった。
人の最も劣悪な部分が剥き出しになり、誰もがそれを目の当たりにした。
『ナイトメア・アリー』は、そうした時代に僕が経験したことに対する自分の気持ちを反映している。
この映画は、怪しく光る漆黒のダイヤモンド。
その輝きに映し出されるのは、観る者の真の姿。
深く、長く──、この悪夢を見届けてほしい。
2021年9月 ギレルモ・デル・トロ
(序文より)
アカデミー賞作品賞・監督賞のW受賞から5年──
様々なモンスターを描いてきた
ギレルモ・デル・トロ監督の最新作は
敬愛する映画『フリークス』への
オマージュを捧げた、渾身のヒューマン(怪物)・ドラマ。
クリーチャー無しの新境地であり、
よそ者としての“怪物”に愛情を注いできた
デル・トロ監督の真骨頂ともいえる本作に監督自身が込めた想いが詳らかに。
劇的な人生を送った原作者であるウィリアム・リンゼイ・グレシャムに馳せた想いや、
撮影方針のインスピレーション源となった映画『街の伊達男』(33)や『家なき少年群』(33)など、1930年代初期から、『堕ちた天使』(45)や『歩道の終わる所』(50)などのノワール作品のこと、
画づくりの上で、参考にしたジョージ・ベローズ、エドワード・ホッパー、アンドリュー・ワイエスといったアメリカ写実主義の画家の作品についてなど、
圧倒的な知識量を誇るデル・トロがいかにしてこの唯一無二の世界観を生み出したのかが、
美麗なコンセプトアートなどともに語られる。
また、自身の監督デビュー作『クロノス』での
ロン・パールマンとの出会いが、本作の映画化を実現させ、
名優ブラッドリー・クーパーとの二人三脚が、
デル・トロの新しい世界を生み出した……など、
ここでしか語られない、制作秘話も満載。
コロナ禍で一時は撮影が中断されるという事態を乗り越えて、
デル・トロが細部まで作りこんだ“見世物小屋”の舞台裏とは──。
監督自身がしたためた、芸術作品ともいえる「創作ノート」を含む、貴重なビジュアルも多数掲載。
【映画公開情報】
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