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社会のなかにはきっと、「編集」がなしうることがある。そのヒントは、伝説の編集者・津野海太郎がつづってきた文章にひそんでいる――。晶文社での活動をはじめ出版文化の重要人物でありつづけ、テント演劇の時代からコンピュータの世紀までを駆け抜けてきた著者による、過去を携え、現在と共に呼吸し、未来を見すえる編集論集。
【目次】
実用本位の夢 編者によるまえがき
第1章 取材して、演出する
ほんのかすかでもいい、かれと私とをふくみもつ、しかも、かれや私をこえたものの声が聞こえてくればうれしい
テープおこしの宇宙/座談会は笑う/初歩のインタビュー術/雑誌はつくるほうがいい
第2章 人とかかわる、固定観念を脱する
「そういうのじゃない雑誌のつくり方はないのかな」
太い指とからっぽの部屋/植草甚一さんの革トランク/編集者としての植草甚一/雑誌のロンサム・カウボーイ
第3章 テクノロジーと歩む
コンピューターの世界にもいろんな裂け目がある。裂け目は固定的なものではなく、ひろがったり、ちぢまったり、動的に再編成されている
シロウトがつくったマニュアル/フランケンシュタインの相対性原理/パソコン通信で対話できるか
第4章 変化を編集する、編集することで変わる
新しい本のかたちが生まれる場所にはなんらかの民衆的な運動がある
本の野蛮状態のさきへ/森の印刷所/「世界の書」――アジアの髄からマラルメをのぞく
第5章 複製技術は時を超える
いまあるオリジナルの自分が消滅し、それがゆっくりと未来の世界のうちにとけこんでいく
印刷は編集の敵にあらず/子ども百科のつくりかた/晩年の運動/編集者というくせのゆくえ
鼎談・星座をつくりたい 津野海太郎×若林恵×宮田文久
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