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いち能楽師がコロナ下に立ち止まり、考えたこと
能楽界の新星、初の随筆集。
若手能楽師ワキ方として活躍し、日本全国、世界中を飛び回っていた著者。毎日、毎週のように入っていた舞台の予定がコロナ禍ですべてなくなり、忙しさから一転、部屋の掃除や家事をし、書物をじっくりと読む日々に……。
改めて見つめ直し、悩み、考えた、稽古、舞台、芸能、日本文化、日々のこと。そして、この時代における能楽師のあり方とは?
カラー24ページ◎ 配信公演「ことばとわざ」などの写真を収録
特別寄稿集付き◎ 著者と親交のある執筆陣による豪華寄稿 ……内田樹、大倉源次郎、志村昌司、原田マハ、森田真生、冷泉貴実子
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私たちは舞台の空気を吸って、日々の生活を送っている。舞台の息吹や感覚は生きものであり、いつも身体に語りかけるものだ。補助輪のない自転車がしばらく静止していられないように、走りつづけてこそ保たれるものなのだ。
それが停止を余儀なくされる。――本文より
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