戦後日本の傷跡

戦後日本の傷跡

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出版社
臨川書店
著者名
坪井秀人
価格
4,950円(本体4,500円+税)
発行年月
2022年2月
判型
A5
ISBN
9784653045175

傷跡――いまだ終わらない、完結しない過去、癒しがたく忘却することのできない経験が現在に息づく、現在進行形の語りによってしか語ることの出来ない、過去の時間と現在の時間が交錯する場所。
戦争経験の傷跡を生き続けたアジアと日本の戦後社会を考察した24本の論考を収録。


【目次】

序論  身体としての戦後日本そしてその傷跡  

第一部戦争の傷跡とアジアの中の戦後
傷痍軍人の語る「傷跡」――直井潔の作品とケアの様相をめぐって
生者を傷つける死者との回路――川端康成『虹いくたび』
宮尾登美子の満州体験と帝国の傷跡――語られる引揚げ、想起する苦しみ
台湾先住民を日本人にさせる殖民暴力とその傷跡の分有――日本のおかげと恩という語りとの出会い
移動者たちの「在日朝鮮人文学」――「密航」と収容所、そしてアメリカ
「留用」と「引揚げ」――加藤幸子『夢の壁』にみる少女の記憶
在韓被爆者支援と文学――深川宗俊と御庄博美を中心に

第二部傷の記憶と表象
脚本家水木洋子と戦後社会派映画再考
母の死とオリンピック――古田幸『おかあさんのばか』のメディア展開をめぐって
レイプの位相と男性セクシュアリティ――大島渚『絞死刑』と大城立裕『カクテル・パーティー』のあいだから
戦争記憶を民話として継承するということ――松谷みよ子等による第二次民話運動の頃を中心に
完結する物語、完結しない声――崎山多美「ピンギヒラ坂夜行」から考える

第三部戦後民主主義――運動と傷跡
中野重治「雨の降る品川駅」の同時代史―― 一九七〇年代日本の思想空間と「差別」問題
〝カスバ〟とよばれた街―― 一九六〇年代の雑誌メディアにおける〈釜ケ崎〉の表象
〈無力なイエス〉と戦後キリスト教界――遠藤周作『イエスの生涯』批判をめぐって
全共闘運動の傷跡――東大闘争参加者の「その後」から
日本特殊論とトランプ政治――一九八〇年代の傷

第四部ジェンダー、生政治と傷跡
傷を重ねる――森崎和江の聞き書きにみる語り/沈黙/無言
森崎和江『からゆきさん』――傷跡のインターセクショナリティ
敗戦のトラウマと性的不能、あるいはエロティックな戦争
サリドマイド事件の傷跡
妻の崩壊――傷跡としての『成熟と喪失』
戦後日本の「ケアの危機」――津島佑子「ある誕生」「壜の中の子ども」にみる子殺しと障害の交差
社会距離という傷跡――COVID-19の風景

あとがき

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