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戦後否定された行政国家制の実像を再考する―
等閑視されてきた外地等の行政争訟制度を紹介するとともに、「行政裁判所は行政処分の正当性を事後的に弁明する機関に過ぎなかった」という“通説”を再検討し、行政争訟制度の歩みについて新たな理解を提示する。
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本書は、明治国家期の行政争訟制度の理解を刷新することを目指す。第一に、「官庁の保護機関」と称されることもあった行政裁判所の実像に迫った。まず、明治23年の行政裁判法制定が、他の行政機関から相対的に独立した裁判機関を設置することにあったことを明らかにした。そのうえで、明治20年代以降の制度改革の動きに注目し、行政裁判所が、行政裁判権の拡充強化を目指す改正案作りを主導していたことを示した。第二に、これまで知られてこなかった外地(台湾、朝鮮)及び傀儡国家(満州国)における行政争訟(制度)について論じ、台湾についてはその実態も示した。これにより、近代日本行政争訟制度の新たな「像」を提示した。
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