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静岡大学工学部の化学実験テキスト.
本書は、工学部の学生がマスターすべき化学実験法についての指導書であり、実験にあたっての注意事項、およびテーマごとの実験目的、実験操作、結果の整理法等について記述している。
昨今のデジタル家電やデジタルカメラに代表されるデジタル技術の発展には目覚しいものがある。その一方、マウス操作は得意でも、「コップの中の水をびんに戻せ」と言われると、困ってしまう学生も増えている。我々は、このようなデジタル技術全盛時代であればこそ、ウェットでかつアナログ的な技術を、専攻分野を問わずに教えていく必要性を感じている。これは、デジタル化が難しい微妙な色や臭いの変化などをすばやく感知する人間の能力は、今後とも重要性が減ずることはないと考えているからである。
このような認識のもと、本書では、「分析化学」、「物理化学」、「有機化学」の分野から計6つの実験テーマを選んだ。さらに、今後ますます重要性が増すと考えられる計算化学に関連したコンピューター演習もテーマとして含めている。そして、工学部の学生として最低限の化学の技術を体得してもらうことを意図している。いずれのテーマも初心者でも2時間程度で終了できるように配慮している。
なお、テーマの中にはあえて自動化をしていない部分もある。これは、いつの時代も最先端の実験技術は「手動」が原則であることを踏まえ、少しでも先人の苦労を追体験していただきたいためである。また、複数の実験テーマに共通するピペット、メスフラスコ等の測容器や天秤の基本操作法については、付録にまとめた。
(「はじめに」から抜粋)
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