歴史上初の「世論」が戦局を左右した戦争と言われているクリミア戦争。遠く離れた本国の人が新聞報道で戦地の状況を知り、それに対する意見を述べ、それが大きな世論となって政局を動かすこともあった。ナイチンゲールがヒロインとなったのも、この世論が大きく関係している。悲惨極まりない戦地の病院で負傷兵の看護に邁進したナイチンゲールを、人々は「クリミアの天使」と崇めた。しかし本人は、多くの兵士を死なせてしまったことに深い自責の念を抱いていたのだった。
本書は、クリミア戦争でのナイチンゲールの活躍だけでなく、当時の政治・社会・経済・文化的背景など様々な側面に焦点を当てて考察した本で、歴史好きの方にもおススメ。
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