日本語の技術

中公文庫

日本語の技術

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出版社
中央公論新社
著者名
清水幾太郎
価格
902円(本体820円+税)
発行年月
2022年2月
判型
文庫
ISBN
9784122071810

文章術は泥棒に学べ!? ロングセラー『論文の書き方』の姉妹編。実践に役立つ文章修業の本道を説く。社会学者・ジャーナリストとしても活躍した著者による体験的文章指南。〈解説〉斎藤美奈子

(以下、本文より)

 その中の或る文字、或る言葉、或る文章を大変に好きだと思い、反対に、その中の或る文字、或る言葉、或る文章を非常に厭だと感じるような人、そういう人は、立派な文章が書ける素質のある人だろうと思います。

 実際に、その人の文章と瓜二つのような文章を何篇も書いてみることです。これが文章修業の本道で、それ以外に道はありません。一にも真似、二にも真似、三にも真似です。

   *

 締切という時間的限定、枚数という空間的限定、この二つの限定が曖昧なのが研究室の特色で、それと反対に、この二つの限定が厳格なのがジャーナリズムの約束です。

 文章を修業するのには、自分で締切と枚数とを厳重に定めて、これを自分に課するという方法をお勧めしたいように思うのです。

   *

 文章というのは一種の建築物だと考えています。大きな論文はビルディングのようなもの、小さな文章は交番のようなもので、文章が建築物であるならば、それを作るのには、どうしても、設計図がなければなりません。正確な設計図を用意せずに、文章を書き始めたら、論旨不明の文章が出来上るのは全く当然のことです。

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