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デュルケームは、ラビの継承者でありながらユダヤ教信仰を棄ててフランスの世俗道徳論者になった。この通説に対して、ユダヤ教に根拠を置いて彼の道徳的連帯論を検討することが本書の目的である。近代以降キリスト教に対抗して進展してきた民主主義は、その基盤に世俗主義を掲げてきた。彼の世俗道徳論をユダヤ教の法概念に照らして解釈することは、「キリスト教から世俗主義へ」という近代西洋思想の展開に新たな視点を与える。
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