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全国水平社創立100周年を記念して四国四県の水平運動の状況を一冊にまとめた歴史書である。
内容について、「刊行にあたって」を一部抜粋して紹介する。
本書では、各県が二本ずつ、計八本の論文を紹介することとした。そのうちの一本は各県の水平運動を通史として概観した。全四国水平社での連帯等、他県との関連もあり記述が重複しているところもある。ただし、各県水平社の設立、活動における思想的背景をもとに、各執筆者の問題意識に沿った見解を著しているので、県単位に特化させず相対させながら四県の通史を読み込んでいただければ幸いである。
もう一本はそれぞれの問題意識を反映した論考である。
徳島県は、井藤正一の日記をもとに加茂名水平社設立の背景や活動を明らかにしたものである。
香川県は、高松差別裁判糺弾闘争にかかる負の側面を明らかにしようとしたものである。
愛媛県は、学校における差別事件を個別に洗い出し、水平社との関係を浮き彫りにしようとしたものである。
高知県は、高知県水平社とは別に独自の活動を展開した幡多地方の水平運動を概観したものである。
通史を含め、それぞれ、これまで紹介されてこなかった史料を用いた画期的な論考である。一地方史としての水平運動史を垣間見ることができよう。
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