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遥かなる時空と闇を割いて彼の声がきこえる。
ランボー没後130年を経てなお
著者の心に棲みつづける
魂を揺さぶる熱い思いを綴った小説
『ロッシュ村幻影』を大幅に修正、新たな掌編もプラス。
闇に蹲る彼の沈黙ほど美しい詩はない、と僕は結論付けた。ハラルでの十一年間の闇、そこから発せられた詩ではなく日常の些事を綴った手紙こそ、文学の最高峰の一つであると考えるに至り、そこに僕自身の人生の意義を重ねた。僕は最後にと、彼のゆかりの家、都市、カフェ、ホテルなど順を追って回った。最後にマルセイユの丘に登った。地中海に沈む太陽。激しく墜落していく太陽。アルチュール・ランボーはそれを永遠だと詠った。一切のものは無であり、永遠であるだけだと。(あとがきより)
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