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北周から隋にかけて特定の学派や宗派に属すことなく、半僧半官の立場で国家仏教の主要な事業に参画し、その発展に寄与した釈彦琮(557-610)。後世、師資相承を重んじる教団仏教が栄える中で埋没してしまった彦琮の偉大な功績を究明し顕彰する。それによって従来見落とされていた教団史観によらない隋代仏教の一面が明らかにされる。
【目次】
序 論――彦琮研究の目的と意義――
論文篇
第一章 彦琮の生涯
第二章 彦琮の交友人物
第三章 彦琮の活動拠点
第四章 彦琮と洛陽上林園翻経館
第五章 彦琮の著作
第六章 漢訳者としての彦琮――その訳経と経序――
第七章 彦琮の漢訳論――『弁正論』を中心として――
第八章 二種の彦琮作『合部金光明経序』
第九章 彦琮の国家仏教観①――『福田論』を中心として――
第一〇章 彦琮の国家仏教観②――『通極論』とその撰述意義――
第一一章 『浄土詩』の作者とその文学性
第一二章 無名の彦琮は有名だった――中国仏教研究の死角――
第一三章 彦琮の生誕と斂葬の地・隆堯県訪問記
終 章――課題と展望――
資料篇
①『浄土詩』校訂テキスト・訳註
②『福田論』訳註
③彦琮年譜
参考文献/初出一覧/あとがき
索引/英文目次
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