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第二次世界大戦の日系収容と日本の敗北をテーマに、独自のナラティブを創造しようとした作家の「抵抗」を、日系作家の作品から読み解く。ヒサエ・ヤマモト、ワカコ・ヤマウチ、カレン・テイ・ヤマシタ、カズオ・イシグロ、ジュリエット・コーノを中心的に論議する。
親の世代の迫害の記憶から距離をもち、時に国境を越え、人種やエスニシティの主体的位置を越えた視線を提供する本書で取り上げる作家群が、第二次世界大戦における日系収容という捕囚体験、そしてその後の日本の敗戦という集団的記憶からどのような日系性を見出しているのかという問題を、作家とそのテーマとの距離感から探究する。
アメリカ文学史上における日系作家の位置を再定位し、彼らのナラティブの重要性を立証する。そのために各章では、彼らの作品そのものを単独に紹介したり、分析するのではなく、アメリカ文学史上においてすでに「正典(キャノン)」とみなされた作家との対比から、日系文学の存在意義の論証も試みる。
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