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戦後、鶴田ダムが建設され、中越パルプ工業川内工場、京都セラミック川内工場、川内原子力発電所なども進出して、目覚ましい経済発展を遂げた北薩地域。史跡や文化財も多く、かつて薩摩国の国衙と国分寺が置かれて政治、経済、文化の中心地となった現在の薩摩川内市域には、可愛山陵、薩摩国一之宮新田神社などが残る。また鎌倉幕府の「建久図田帳」に記された高城温泉はじめ、湯川内、紫尾、湯田、市比野、藺牟田、入来など、近世には島津藩主から庶民まで多くの人びとが湯治に訪れた温泉地がある。さらも自然環境にも恵まれており、阿久根や出水はツルの渡来地として知られ「鹿児島県のツル及びその渡来地」は国の特別天然記念物に指定されている。雲仙天草国立公園に指定された長島町の海岸部は絶景である。
本書は、そんな北薩の昭和時代を記録した貴重な写真を600点以上収録、それぞれの写真に丁寧な解説を付して、ページをめくるたびに六十余年の間に移り変わってきた地域の姿をたどることができる写真アルバムとなるよう努めた。また、昭和49年に架橋された黒之瀬戸大橋や、同62年に廃止された国鉄宮之城線など、当地ならではの特色ある項目をフォトコラムとして収録している。
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