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花鳥画の大家にして、洒脱な筆さばきで知られた渡辺省亭。
画壇から離れ、ひとり自らの信じる道を歩んだ省亭は、
いつしか、日本美術史から忘れられた存在となったが、
その並外れた画技は、いまなお鮮烈に観る者を惹きつける。
写実に長けた省亭の花鳥画を、数々の名作とともに紹介する。
代表作《十二ヶ月花鳥図》を両観音開きで大胆に紹介!
【構成】
◎巻頭対談
渡辺省亭の再評価元年がやってきた!
山下裕二 × 古田 亮
複雑な生い立ちと菊池容斎への入門 [江戸末期―明治初年]
パリへ──博覧会の時代とスタイルの確立 [明治初年―明治二十年代]
口絵・挿絵と雑誌編集の仕事 [明治十年―三十年代]
工芸への挑戦 [明治十年―四十年代]
画壇との決別、自らの画風を磨く [明治三十年代]
円熟期を迎えた晩年の作品 [明治四十年―大正初年]
◎コラム
花鳥画以前の省亭──師・菊地容斎に学んだ頃 塩谷 純
パリの省亭 古田あき子
省亭の暮らしと家族たち 古田あき子
省亭の「写生」 古田 亮
「裸胡蝶」と口絵・挿絵の問題 出口智之
濤川惣助と省亭の共同制作 岡本隆志
清方が敬愛した省亭 山下裕二
省亭の画技を支えた書 峯岸佳葉
若冲に挑戦した省亭 山下裕二
鳥類学から見た省亭 高橋雅雄
絶筆《春の野邊》 古田 亮
◎再録
渡辺省亭先生の画 鏑木清方
◎省亭回想
省亭の修業時代/修業時代とお金の苦労/
息子が語る、江戸っ子・省亭のきれい好き/息子が語る、省亭の絶筆
◎省亭作品を訪ねる
齋田記念館/潮江院
略年譜
作品索引
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