取り寄せ不可
リオは11歳で天涯孤独となり、牧場主のサムに引き取られた。
その後も、酒癖の悪かった亡き父の醜聞を十字架のように背負い、
人々に白い目を向けられるなか、サムだけは彼女の味方だった。
なのに、その息子ケインはいつもリオを厄介者扱いした。
彼女が密かに彼を愛していることなど気づきもせずに。
今、唯一の理解者だったサムが病のため死を目前にしている。
恩人との別れを考えるだけでリオは胸を締めつけられた。
しかもケインが跡を継げば、わたしは追い出される運命……。
そう覚悟したリオを、ケインはある晩抱きすくめ、唇を奪った。
激しい情熱、そして不可解な怒りと、軽蔑を瞳に宿して。
冬来りなば春遠からじ――たとえ今が不幸であっても、耐え忍べばやがて幸せはやってくる。つらい境遇に生きるヒロインを描かせたら随一のスーザン・フォックスの名作をお贈りします。美しい大人の女性に成長したリオに冷たく接する、ケインの本音は……?
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