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「音楽に国境はない」という言葉があるように、音楽には「越境」という概念がつきものである。例えば一つの音楽作品が生まれ、演奏され、聴取されるとき、音楽は、国・地域の越境、時代の越境、ジャンルの越境など、多かれ少なかれ、さまざまな「越境」を経験する。
「本書に収められた8篇は音楽学の研究者による書き下ろしの論考で、直接的または間接的に「越境」と関係している。「越境」は近年、人文科学全体に大きな影響をもたらしている概念だが、それを音楽にあてはめてみるとどうなるだろうか。ここでは8人がそれぞれの専門に引き寄せて「音楽と越境」について考えている。どの論考も研究領域の最先端に位置づけられるものではあるが、それと同時に、読者が理解しやすいように留意して書かれている。」(「はじめに」より)
それぞれの章で、音楽の社会的・政治的・文化的コンテクストを重視し、学際的なアプローチが取られているのも特色。大学などのテキストにも最適。人名・曲名・事項索引付き。
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