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受け継がれる命の物語。魯迅文学賞受賞作品
千年に一度の大日照りの年。一本のトウモロコシの苗を守るため、村に残った老人と盲目の犬は、わずかな食料をネズミと奪い合い、水を求めてオオカミに立ち向かう。命をつなぐため、老人が選んだ驚くべき最後の手段とは?
ノーベル文学賞の次期候補と目される、現代中国の巨匠が描く、《神話の世界》。
本書は中国で、第二回魯迅文学賞、第八回『小説月報』百花賞、第四回上海優秀小説賞を受賞。数多くの外国語に翻訳され、フランスでは学生のための推薦図書にも選定。
「わしの来世がもし獣なら、わしはおまえに生まれ変わる。おまえの来世がもし人間なら、わしの子どもに生まれ変わるんだ。一生平安に暮らそうじゃないか。先じいがそこまで話すと盲犬の目が潤んだ。先じいは盲犬の目をふいてやり、また一杯のきれいな水を汲んで盲犬の前に置いた。飲むんだ。たっぷりとな。これからわしが水を汲みに行くときは、おまえがトウモロコシを守るんだ。」(本文より)
山深い農村が千年に一度の大日照りに襲われた。村人たちは干ばつから逃れるため、村を捨てて出ていく。73歳の「先じい」は、自分の畑に一本だけ芽を出したトウモロコシを守るため、村に残る決意をする。一緒に残ったのは、目のつぶれた一匹の犬「メナシ」。メナシは雨乞いの生贄として縛り上げられ、太陽の光にさらされ、目が見えなくなってしまったのだ。
わずかなトウモロコシの粒をめぐり、ネズミとの争奪戦の日々が続く。やがて井戸も枯れ果て、水を求めて谷間に赴くと、池でオオカミの群れと出くわし、にらみ合う……。
もはやこれまでか……先じいが最後に選んだ驚くべき手段とは?
ネズミやオオカミとの生存競争、先じいとメナシとの心温まるやりとりを中心に、物語は起伏に富む。意外な結末を迎えるが、受け継がれる命に希望が見出され、安らかな余韻を残す。作家は村上春樹に続いてアジアで二人目となる、フランツ・カフカ賞を受賞し、ノーベル文学賞の次期候補と目される中国の巨匠。本書は魯迅文学賞をはじめ、中国国内で多数の栄誉に輝いている。また数多くの外国語に翻訳され、フランスでは学生のための推薦図書に選定されている。
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