アルトを歌ふ

アルトを歌ふ

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出版社
ふらんす堂
著者名
楠原絢子
価格
2,750円(本体2,500円+税)
発行年月
2022年1月
判型
四六判
ISBN
9784781414256

◆第一句集



新盆の妹が来てゐるいつもの庭



作者の体験が詩的なことばを生み、それが表現によって組み立てられ現出した世界。絢子さんの胸中の抽象的な場所、妹さんの姿を可視化させた作者の本当の世界だ。懐かしい妹さんとの思い出、その笑顔、笑い声が絢子さんの心に押し寄せる。

(序・鈴木章和)





◆自選十句

恐竜の卵の孵る朝桜

どこに置かうアールグレイの時間・春

大人のブランコいつも空まで届かない

抱きしめる夫ありそのほかは五月

サルトルもカミュも泉なりし日よ

わたくしといふ六月の薄いスープ

考へる窓は縦長小鳥来る

月明の穂高は虎を放ちけり

殷賑を来て秋草のやつれかな

墨痕のごとき雲飛ぶ枯野かな

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