1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
近年欧米で研究が盛んな食と言語の関係について、日本語学、会話分析、日本語教育、文学、食品科学等の様々な分野から食に関する日本語の豊かな言語表現(オノマトペや会話中の食の描写、介護における食の語彙等)を考察する。
■「『五感で楽しむ食の日本語』の紹介と展望」より
日本では世界中の食べ物に対する関心が高い。そして食べることだけではなく、グルメレポート、ドラマ、旅行、クイズのTV番組、新聞、雑誌、書籍、ブログ、日常会話等で食べている物の描写、評価、特定(食べている物は何であるか)で実に様々で豊かな表現が用いられている。また、食べ物についての話では、アイデンティティーや価値観、信念が示され、互いにモニターしながら、変わっていく生活世界を構築し、絆を強化している。
欧米では、21世紀に入って言語と食べ物に関する本が数多く出版されている(Counihan 2004, Lavric and Konzett 2009, Newman 2009, Pinnavaia 2010, Gerhardt, Frobenius and Ley 2013, Jurafski 2014, Szatrowski 2014c, Diederich 2015)。しかし、日本では「食のことば」(柴田・石毛編1983)、「美味しい表現」「味ことば」の意味と比喩に関する研究(瀬戸他2003, 2005)、食品の購入のための「「おいしい」言葉」「シズルワード」に関する調査研究(大橋+シズル研究会2010、B・M・FTことばラボ2016, 2018)、食品科学に関する「食品テクスチャー研究」(山野2011)以外言語と食に関する本が少ない。
本書は食にまつわることと日本語との関係を様々な観点から考察する。ここで言う「食」は食べること自体はもちろん、食べる前後の、食べることと関係あるものも含む。例えば、調理については料理本やインターネットで検索できるレシピ、テレビの料理番組、過去と未来に食べた/食べるかもしれない食べ物、食材、食べる場所等に対する評価、文学作品や雑誌等の中で描かれたり、語ったりされる食べ物や食べるシーンである。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。