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2021年6月、開業100周年を迎えた上田電鉄別所線。2019年の台風19号で千曲川を渡る橋梁が崩落して存続も心配されましたが21年3月に復旧。無事に100年を迎えました。
上田地域の鉄道は、製糸業や観光業の発展を期して別所線をはじめ、丸子線、真田傍陽線など一大路線網が出来上がる一方で、半世紀前までにはその8割以上の路線が廃止されます。唯一残った別所線も存続の危機に直面しますが、経営努力や地域・ファンの支えで走り続けています。この100年間は、地域を交えた路線を守る闘いの歴史とも言えます。
本書では、路線の建設時に鉄道省に出した申請書類(公文書)や当時の地図、新聞記事・写真などの資料を駆使。創成期の路線建設・延伸へのもくろみや、路線廃止の顛末、別所線存続をめぐる経過や取り組みなどを中心に、鉄道会社の変遷、シンボルの丸窓電車、被災鉄橋の復旧までの軌跡など、歩みをたどります。
また、100周年を記念して公募した「思い出エッセイ・作文」の受賞作・上位作品約90点も収録。公文書や地図、報道、人々の記憶を掘り起こし、さらには廃止路線の写真や古い切符、電鉄会社の内部資料など、貴重な多数掲載して1世紀の流れを追う鉄道歴史書です。
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