時代を左右したにもかかわらず、本国にいられなかった“怪しすぎる”面々。
防共協定締結の立役者であり終戦工作にも携わったフリードリヒ・ハック、〓介石に協力したハンス・クライン、「満洲国」のアヘンに関わったヘルムート・ヴォータート、ゾルゲ事件の渦中にいたヨーゼフ・マイジンガー等々、「第三帝国」と東アジアのはざまで浮かび上がる奇天烈な人物たち。彼らから矛盾と対立に満ちた国際関係と歴史の実相が見えてくる。『独ソ戦』(岩波新書)大木毅氏ら、気鋭の強力執筆陣が描く、第二次大戦秘史。
1930年代から40年代にかけて、日本とドイツは加速度的に連携を深めていったように見えるが、両国の関係はきわめて多元的で、たえず緊張と軋轢をはらんでいた。
そうした複雑な外交関係のなかで、本国ドイツにいられなかった“怪しげな”政商や情報ブローカー、政治的活動家、外交官として暗躍したドイツの「異端者」たちがいた。
「満洲国」、日独防共協定、上海租界、ゾルゲ事件などを焦点として、両国の行く末を左右したこれらの知られざる「政治的投機者」たちの足取りを追い、その周辺の一群の関係者たちの動向を浮かび上がらせることで、矛盾と対立に満ちた日独関係の実相を明らかにするとともに、従来のイメージを一新する新たなナチス像を本書は提示する。
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