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「語らざるべし、聞かざるべし」。大手食品メーカーの社長、淡路剛造が自宅の浴室で何者かに殺害された。殺害前、彼の自宅前では怪しげな遍路の姿が目撃されており、剛造の娘の婚約者の元には、幽海上人の生まれ変わりを名乗る謎の男から剛造が過去に起こした罪を裁くという怪電話がかかってきていた。彼が犯した罪とは何なのか。事件を追ううち、彼の故郷の村で起きたある母娘の失踪事件、更には湯殿山麓の寺の奇妙な戒律が浮かび上がる――。角川小説賞受賞の本格推理小説。
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