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地域医療が重視される時代
社会に求められる「本当のかかりつけ医」とは
地域医療にとって本当に必要なのは「なんでも診る」「いつでも診る」医師です。
「うちでは分からないから、ほかへ行って」では、国が考える医療の「入り口」
にはなりません。
診断をつけ、高度な治療を要する場合はより専門性の高い医療機関へ紹介するのが
本来の役割です。
さらに、夜間でも休日でも、困ったときにすぐ受診できれば、
これほど安心なことはありません。それが「総合診療かかりつけ医」です。
具合が悪くなったり、けがをしたりしたときに、医療の「入り口」となるのが
「かかりつけ医」です。
日本医師会の定義では、「身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う
総合的な能力を有する医師」とされています。
かかりつけ医が診断をつけたうえで、
重症な患者をより専門的な治療を受けるために規模の大きい病院へ紹介することで、
効率よく質の高い医療が実現できます。
しかし、実際にはその医療の入り口がうまく機能していません。
日本の医療は臓器ごと、診療科別といった「縦割り」体制に発達しているため、
自分の専門しか診ないという医師が多くいます。
そのため患者は、症状や部位によって何軒もの診療科を回らなければいけないこと
になり、
なんでも相談でき、自分の身体の状態を把握しているかかりつけ医をもつことが
できていないのが実情です。
本書では「なんでも診る」「いつでも診る」を実践する総合診療かかりつけ医の著者が、
縦割りの体制など現在の日本の医療が抱える問題点をふまえ、
本当に必要とされる「かかりつけ医」とは何かを語ります。
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