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友人たちから天才とよばれた著者は、日記を残して夭折した。そこには、膨大な量の読書と類まれな思索の結果が記されていた。この著者が何者であるかを簡単には断じられないが、その深い教養と社会変革への純粋な志に読者は心打たれるだろう。
「サトー君との出会いによって私は、《教養人》とはどういう人であるのか、少なくとも、どういう人間であろうとする人のことを指すのか、明確なイメージを持つことができたのだ。彼はまったく驚嘆すべき人だった。思想、哲学のみならず、文学や芸術にも通暁し、いわゆる古典名作と呼ばれるものにことごとく目を通しており、そのすべてについて自分の意見を持っていた。しかも、社会を変革しなければならないという明確な目的意識とともに、だ」(本書序文 野尻英一「ロング・グッドバイ~最後の《教養人》として生きた君へ」より)
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