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晩年のカントが未刊のまま残し、後世の研究者を戸惑わせてきた膨大な 『遺稿集』。ときにカント自身の批判的学説とも矛盾する迷宮のようなテクストを思想史に正確に位置づけるにはどんな視点や読解法が必要なのか。三批判書以降の自然哲学や超越論哲学の帰趨を若きシェリングによる自然哲学探究やスピノザ受容、同時代の化学革命との関連のなかでたどり、両哲学者が共有し、かつすれ違った問題の核心に迫る挑発的な労作。
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