本書のテーマは「データ科学」である。観測を通して現実世界の様相を数空間に写像したものをデータと捉えてみよう。数空間に展開されたデータに統計学や機械学習を適用することで,パターンの発見や仮説検証,あるいは予測を行えるようになる。こうして,現実世界の複雑な有様を簡明にかつ定量的に理解し,理解に基づく結論や提案を,新たなデータ分析を通して反証可能な形で提示する。これがデータ科学の特徴であると言えるだろう。
本書では,学生が日々利用する大学生協の実際の売上データを用いて分析を行う。標準ソフトウェアは社会に出てからも利用機会が多いExcelを用い,文理双方の読者へ向けて,高度な数学やプログラミングに関する知識は必要としない。本書は社会人を含む幅広い読者の方々に向けて,データ科学を学ぶ際の参考図書としても役立つであろう。
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