リチウムイオン電池・全固体電池の材料技術ープロセス・評価技術までー

設計技術シリーズ

リチウムイオン電池・全固体電池の材料技術ープロセス・評価技術までー

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出版社
科学情報出版
著者名
櫻井庸司
価格
4,950円(本体4,500円+税)
発行年月
2021年11月
判型
A5
ISBN
9784910558066

リチウムイオン電池の研究・開発・実用化・利用に携わっている多くの研究者・技術者にとっての最近の朗報は、リチウムイオン電池の開発に貢献したJ.B. Goodenough、M.S. Whittingham、吉野 彰の3 氏が2019 年
にノーベル化学賞を受賞したことであろう。その受賞理由は一般的に、携帯電話やスマートフォン・ノートパソコンなどの電源として必要不可欠なリチウムイオン電池の開発に成功し、利便性の高い世の中にした貢献に対して授与された、と報道されている。一方ノーベル賞選考委員会の公式発表にはこれに加えて、「彼らの仕事を通して、彼らはワイヤレスで化石燃料に頼らない社会になる状況を作り出し、人類に大きな恩恵をもたらした。」という表現で、その真意がしっかりと刻まれている。つまり、化石エネルギー消費社会からの脱却・地球環境問題解決に資する有効な手段としてリチウムイオン電池を捉え、今後の更なる寄与に対する期待も込めてのノーベル化学賞授与とも言えよう。
 リチウムイオン電池は1991 年に実用化されて以降、その高いエネルギー密度を背景にして、モバイル端末を皮切りに電動工具や自動車用電源などに適用領域を広げ、現在の社会になくてはならない二次電池として確固たる地位を築いている。今後はさらに、全世界的な課題となっている地球温暖化防止に必要とされている太陽光・風力などの再生可能エネルギーの普及・促進を加速するエネルギー貯蔵デバイスとしての活躍が期待されている。
 本書は、上記のように今後ますます利用シーンが拡大するであろうリチウムイオン電池に興味がある方はもとより、これからリチウムイオン電池や全固体電池の研究・開発に携わる、ないし、手掛け始めた方々を主な読者として想定し、執筆している。発刊の狙いとしては、様々な合成手法で実際に電池材料を合成し、多様なプロセスで電極を作製して電極材料の物理化学特性・電気化学特性を評価するにあたり、これら一連の項目をまとめて平易に書かれた本がほとんどないのが現状と思われたため、この状況に対応した技術書の発刊を目指した。そのため、数ある電池の中でのリチウムイオン電池の位置付けやその開発経緯に加えて、作動原理や構成材料・プロセス技術・評価技術の基礎を概説している。単なる技術的説明にとどまらず、筆者らが研究現場で実際に利用している無料データベース・ソフトウェア情報や実験ノウハウなどの有用情報も盛り込んでいる。特に、電池特性の主な決定要素である電池材料の説明においては、その材料が開発された学術的背景や他の材料との相互関連性についても触れた。本書では、電池の専門家が求めるかなり高度な技術情報はあえて掲載していないが、より深い内容を知りたい読者に向けては、総説を含む数多くの参考文献情報を載せている。
 本書がリチウムイオン電池や全固体電池関連の研究・開発業務に携わる方々になんらかの新たな知見を提供し、あるいは、一般読者の知的好奇心を満たす一助になるようであれば、筆者らの望外の喜びである。

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