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蕉門俳人、広瀬惟然と各務支考における「軽み」の展開を明らかにする
第一部「芭蕉の「軽み」解釈」では、近代以降現在までの「軽み」研究文献において、何が「軽み」とされてきたのかを探り、その問題点を指摘したうえで、新たな視座を提示する。第二部「惟然における軽みの展開」では、芭蕉入門後の惟然が芭蕉との関係をどのように築き、また芭蕉がさかんに説いた「軽み」をどのように受容したのかを、具体的な事実と作品に基づいて検討する。第三部「支考における軽みの展開」では、同門俳人からの攻撃によって長らく「俗臭の多い野心家」という先入観のもとに、信頼に値しない人物として語られてきた支考を取り上げ、惟然とともに「軽み」唱導期の芭蕉に随時した支考の経歴と俳論を整理して、その言説は芭蕉の教導につながるものであることを示した。本書では三部八章にわたり、惟然・支考と芭蕉の「軽み」との関わりを中心とした論を展開し、全体の総括は巻末の「おわりに」において行った。
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