ちゃぶ台 8(2021年秋/冬号)

特集:「さびしい」が、ひっくり返る

ちゃぶ台

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出版社
ミシマ社
価格
1,870円(本体1,700円+税)
発行年月
2021年11月
判型
A5変
ISBN
9784909394606

特集:「さびしい」が、ひっくり返る

土井善晴(随筆)、津村記久子(エッセイ)、齋藤陽道(フォトエッセイ)、三好愛(絵と言葉)、斉藤倫(創作)、益田ミリ(漫画)・・・など、いま、私の「さびしい」が、足元から変わっていく!



生活者のための、新しい運動のかたちがここに――。

・松村圭一郎×村瀨孝生(対談)「弱さとアナキズム」

・藤原辰史(論考)「民間人について」

・工藤律子(ルポ)「人のつながり、命のつながり パンデミック下のスペインより」



他にも、珠玉の読み物が集結!!

滝口悠生(小説)、寄藤文平(絵と言葉)、榎本俊二(漫画)、中村明珍(エッセイ)、内田健太郎(エッセイ)、益田ミリ・平澤一平(漫画)、須山奈津希(漫画)、「面白い本屋さん」紹介コーナー・・・など。



さらに、ミシマ社創業15周年記念鼎談も必読!

中島岳志×辻山良雄(本屋Title)×三島邦弘「著者、書店主と考える これからの本のこと」



あまりに面白い雑誌になり、驚くばかりです。――本誌編集長・三島邦弘



*<「さびしい」が、ひっくり返る>に寄せて

 ちゃぶ台返しという言葉があるが、実際にするものではない。してはいけないと思う。家庭でそんなことをすれば、起死回生の関係回復より、崩壊が訪れる確率がずっと高くなる。仕事の現場でも、あの人のちゃぶ台返しのおかげで成功した、などとしばしば耳にするが、それは、ちゃぶ台返しというより、適切な軌道修正と言うのが正確だ。

 ただ、気分はわかる。長引く行動の自粛。先行きの見えない商売。ストレス発散もままならぬ日々。鬱屈とするのももっとも。あらゆるものを台に載せ、全てを投げ打ってしまいたい。そうして、0から再出発したい……。

 とはいえ、実際にストレスやら理不尽さからくる怒りを載せて爆発させると、自分たちが傷ついてしまう。一度や二度では済まないほどに怒る材料はあるわけで、身がもたない。

 では何をひっくり返す? と考えたとき、「さびしい」が脳裏に浮かんだ。

 理由は簡単。なんともいえず、さびしいのだ。仕事であれ日常生活の中であれ、人と会うことや接触が圧倒的に減った。そうして、だんだんとさびしさが募っていっている。いや、さびしくなったわけではない。生きることはもともとさびしいもの。それに気づかずにいただけかもしれない。ただ、確かにさびしいはある。

 その「さびしい」を、ひっくり返したい。

 本号では、尊敬してやまない書き手の方々に、さまざまな「さびしい」を載っけてもらい、ひっくり返してもらうことにした。そうしてみると、どんなことが起こるだろうか?

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