立山の賦

立山の賦

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出版社
桂書房
著者名
川崎一朗
価格
3,300円(本体3,000円+税)
発行年月
2021年11月
判型
B5
ISBN
9784866271064

本書は、地球科学の視点から、多くの人々に立山連峰の成り立ちと魅力を伝えようという試みである。自然科学研究者である著者は、立山・黒部と富山平野は知的好奇心を強く引きつけられる事柄に溢れている大地である、という。縄文海進の最大期からやや後退して海水準が2.5mほどであった時期の小竹貝塚(富山市)は、上端の標高が1mほどしかなく、当時の海水準より1.5mほども低いという、小竹貝塚の標高の謎。縄文海進の時期に形成された大境洞窟(氷見市)の床面の標高が5mほどもあり、当時の海水準と考えられている約3mより2mほど高いという、大境洞窟の標高の謎。小矢部市田川の浅海性の化石産出層の隆起をモデル計算すると290mほどになるが、実際の標高は60mほどであるという謎。万葉集には立山連峰の剛毅な姿を詠んだ大伴家持の叙景歌があるが、万葉の故地を句にした芭蕉は立山には無関心であったし、斎藤茂吉も立山の歌にはあまり関心を寄せてはいない。それは、なぜか。これらの謎を解くことは、地球科学から考古学と古代史などに架橋する試みでもある。また、地震学・測地学・地球化学など、地球物理的な観測・研究成果を総合して、立山・黒部マグマ溜まりの存在や、10万年に数百メートルの高速で隆起してきた立山・黒部地域の隆起を復元する。東北地震以降に日本列島で生じた地震を各種データから検討。はからずも、東北地震以降の立山・黒部の誘発群発地震は、隆起復元像の傍証となった。

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