たそがれてゆく子さん

中公文庫

たそがれてゆく子さん

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出版社
中央公論新社
著者名
伊藤比呂美
価格
748円(本体680円+税)
発行年月
2021年11月
判型
文庫
ISBN
9784122071353

男が一人、老いて死んでいくのを看取るのは、本当によかった――


夢に見た専業詩人の生活、ぽっかりとした自由。


もんもんと考え、るると書く。


カリフォルニアのキャニヨンを犬どもを従えひたすら歩く。


料理や洗濯は、しないことにすぐ慣れた。


山賊のように台所で立って食べた。卵ばっかり食べていた。




のしかかるローンに光熱費、熊本地震、石牟礼道子さんのこと、末っ子の結婚、


そして……日本に帰ろう。




「みんなホルモンのせいでしたと、今は言い切りたい」――


女のための戦記『閉経記』から五年。


書くことで生き抜いてきた詩人の眼前に、今、広がる光景は。

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