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嵐の山中で道に迷い、大学の調査班に助けられたぼくは、博士のもとで調査に加わることになった。
博士が調べていたのは、数千年前に外界との交渉を絶ち、ある方法で自らを縮小化しながら、独自の文明と文化を築いてきたこびとの一族だった。
彼らの子供たちと仲良くなったぼくは、ある出来事をきっかけに、彼らの核心部に入りこんでいく…。
陶淵明の『桃花源記』をモチーフに、現代の桃源郷を描くファンタジックなSF長編。
<新刊モニター:感想>
とてつもない文章量ですが、不思議と飽きずに読めてしまいます。
著者は研究熱心で、色んな分野の知識をお持ちです。
詩情の漂う叙述といい、詩人なのかも知れません。
主な舞台は北国の山奥です。主な登場人物は3人です。
いや、第二章からは、「こびと」が出てきます。
しかも、たくさん!
こびとなんているはずがないと思いつつも、臨場感のある丁寧な描き方で、ファンタジーの世界を楽しめてしまうのです。
主人公「ぼく」の、研究調査メンバー南さんへ寄せる一方的な恋愛感情も気になりますが、そのあたりは、この物語の外伝になるのでしょう。
「こびと」がでてくる、新しい長編ファンタジーの誕生です。 (S・K・70代男性)
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