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古今の将棋の名局を戦型別に収録し、人気を博している「将棋戦型別名局集シリーズ」。本書はその相振り飛車編です。
プロの実戦で現れることが少ないため強くなる教材が少ないのがこの戦型。定跡があってないようなものなので、実戦集を並べて感覚を磨くことは相振り飛車にとって最も効率の良い勉強法といえます。
本書はその相振り飛車の歩みがわかる一冊。
第1局として収録されているのは本因坊算砂VS大橋宗桂。江戸時代に職業としての将棋を作り上げた人たちです。
レジェンドと呼ばれる大山康晴十五世名人、升田幸三実力制第四代名人も相振り飛車を指しています。すでに現代将棋のようなスピード感で戦っていることに驚かされます。
相振り飛車といえば、A級に藤井猛九段、久保利明九段、鈴木大介九段の3人がいた時代を外すわけにはいきません。振り飛車御三家と呼ばれた彼らが順位戦という舞台で相振り飛車の好局を次々に生み出し、そこに谷川浩司九段や羽生善治九段が参戦したことで相振りの定跡は大いに進歩しました。
さらに、菅井竜也八段、永瀬拓矢王座といった新世代の棋士や里見香奈女流四冠、西山朋佳女流三冠といった女流棋士の相振りも収録されています。
まさに相振り飛車という戦法の歩みが網羅された一冊。
ぜひ盤に並べていただいて、その進化の歴史を追体験してください。
第1章 相振り飛車草創期 原始・江戸の相振り
第2章 大野、升田、大山 レジェンドたちの相振り飛車
第3章 怒涛流とだるま流 振り飛車スペシャリストの相振り
第4章 羽生世代と振り飛車御三家 ファミレスのうなぎと鰻屋のうなぎ
第5章 永瀬、菅井、里見 新世代の台頭と女流棋士の相振り
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