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「紙の本で読みたい」という声にお応えする“手から手へ 三浦綾子記念文学館復刊シリーズ”の第7弾。
三浦綾子初期のジュニア向け小説を中心とした中・短編集。単行本未収録の貴重 な3作品を加えた合計6作品を収録し、新装版として刊行。
『雨はあした晴れるだろう』
高校3年生のサチコの日記形式で綴られる物語。義兄への恋心と、姉への嫉妬心 が揺れ動く様が描かれる。
『この重きバトンを』
年をとってからできた息子への、父からの手紙。一人の女性を愛して支えた半生 を振り返りながら、息子にも自分の人生を大事にしてほしいと願う。
『茨の蔭に』
政治活動を描いた異色の中編小説。札幌近郊の町の、町長選挙をめぐる駆け引き と攻防。否応なく巻き込まれる家族の苦悩が際立つ。
『片隅のいのち』
単行本初収録作品。知的障害を持つ波夫は、母が早くに亡くなり、父に育てられ たが、その父も死んで孤独になった。父が長年勤めた食品会社の社長が波夫を引 き取ってくれて、そこで働いているが……。
『長いトンネル』
のり子と啓一は従兄妹で同じ学校に通う小学4年生。のり子の父は借金がかさん で妻に逃げられてしまう。母がいなくなったのり子は悲しさと寂しさをこらえな がら懸命に生きるが、ある日、大きな事件が起こってしまう。
『カッコウの鳴く丘』
主人公は、貧しい家の娘・順子、中学三年生。順子はある日、級友の真寿子から 財布を盗んだと疑われる。真寿子の仲間の安枝、周子との三人から問い詰められ るが、居合わせた同じクラスの哲夫が順子をかばい、真寿子らを諭す。彼女らは 戸惑い反発し、そして結末は思わぬ方向へ。
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