微分積分の起源は,エウドクソスとアルキメデスが,錐の体積,放物線の切片の面積,渦巻き線の接線などを論じたことに始まるが,これらのことが互いに関連がある(らしい)と認識されたのは,ガリレイが「速度が時間に比例する直線運動では,走行距離は時間の2乗に比例する.」ことを発見したことからであろう.それ以来,数学と力学両方の研究が進み,ニュートンとライプニッツにより微分積分の基礎がつくられた.しかし,「極限」の考え方が厳密になることにより,「微分」と「積分」の意味が明確になり,ある程度の基礎知識があれば,誰でも微分積分が理解できるようになったのは,19世紀になってからである.
本書の目的は,微分積分を学ぶために必要な基礎知識を解説することである.必要な知識を1冊の教科書にまとめてあるので,微分積分を高校の数学レベルから学ぼうとする学生がテキストとして用いたり,微分積分を必要とする人が自習する上で役立つ内容であると考える.
この目的のために本書では,例題・問などを数多く取り入れ,演習を通して概念や計算方法の理解を深めることを目指しており,解説を丁寧に読み,例題で計算方法や定義の意味を理解した上で,さらに理解を深める意味において,すべての問や練習問題を積極的に手を動かして計算してくれることを強く望むものである.
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