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自分自身が失われてしまったという感覚をもつ人の苦しみを前にして、いかなる言葉が、いかなる身ぶりが可能だろうか。病いが人を深く揺さぶる時、この同一性の傷を治療することは可能だろうか。患者が自己の風合いを取り戻すことを支援する協働的な営みとしての「治療」の可能性と、「回復」への希望を現実のものにしようとする実践から、ケアの哲学に新たな地平を切り開く。
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