Fred Buschは現代自我心理学の祖の一人であり,確実に抵抗分析の現代著作家の中で最も多くの作品を残している。
本書は,Buschが著作の中でも最も苦労して書いたものであり,精神内界の葛藤を分析的に理解する方法がFreudの時代から進化してきたことと比べ,この理解を有意味に患者にもたらす方法が追いついていないことを私たちに再認識させてくれる。
本書で示される治療における段階モデルの背景となるのは,被分析者が自ら疑問に思うことを慢性的に中断していることに気づくまで,疑問というものはありえないということである。
治療の最初の段階ではまず,患者に自分自身の物語を生きることを制限してきた阻害要因を熟知させる。次の段階にいたるには精神分析マインドの創造,すなわち,一連の自由連想の中で効果的な自己観察を発達させることが必要となる。終結の段階は心的産物の多重決定を評価できる能力を患者が身につけたら迎えられ,患者は自分自身の連想をより正確に解釈する方法を学び,それらを内省する。
本書は古典的技法とフロイト派の構造論を基盤とした現代的アプローチの間に現存する発達の隔たりを埋めるための決定的な一歩を表すものである。
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