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ドストエフスキー生誕200年記念出版。
かつて外務省でモスクワ大使館に勤務した著者は、ソ連邦の崩壊に立ち会うことになった。宗教を否定する社会主義の理想が潰え、ふたたび神を求める時代が始まった。
そうした事態を19世紀にすでに預言していたと著者が考えたのが、文豪・ドストエフスキーである。
『カラマーゾフの兄弟』のかの有名な「大審問官」は、はたして何を示しているのか?
『罪と罰』でラスコーリニコフはなぜ回心したのか?
外交官としての仕事のかたわら、ドストエフスキーを解読する日々が始まった。
尊敬するチェコの神学者・フロマートカや、同じくチェコの哲学者・政治家のマサリクの著作が大いなる手助けとなる。
そして、モスクワとプラハを往還する著者の思索の旅は、ついに終わりの日を迎える--
現代史の現場から生み出された、これまでにないドストエフスキー論。
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