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本書のエッセイの本題の内容は、主に一般言語学の知見を反映したものですが、日本語を扱っていますので、日本語学や国語学で得られた知見も取り入れています。ただし、それぞれのエッセイに含まれるトピック・題材は、いわば表面をさっとなでるだけで、深い議論には入っていません。もしそのどれかのトピックを深く調べてみると、もっといろいろなことが見えてくるかもしれません。場合によっては、ここで書いていることとは違ったことばの側面が見えたり、それ以外にもまた別の新たな発見があったりするかもしれません。エッセイでは、題材と関係する一般言語学のキーワード(専門用語(英語))にハイライトを入れていますが、これはそのトピックが一般言語学でも興味を持たれ研究されていることを示しています。キーワードをたよりに、その方面の研究を探っていくと、どのような研究がおこなわれているかなどについて情報が得られます。そうすることで、ことばの不思議さについて深く調べたりそれをたよりにさらに自身で考えたりする手助けとなると思います。
エッセイのうしろに付けた「ことばについてさらに考えるためのヒント」は、エッセイと関連した問いかけを入れています。この中には、日本語教師が教える際なんらかのヒントとなるようなものが見つかるかもしれませんし、ことばについて何か論文を書こうとしている学生さんであれば、論文やレポートのテーマとなるものが含まれているかもしれません(実際、似たようなテーマで卒業論文を書いた人もいます。)
エッセイの内容を反映したイラストは、内容を理解した上で、書かないといけないので、けっこう大変ではなかったかと思います。時に何回か修正してもらったりしていますが、本文以上に楽しいものに仕上がっていると思います。
読者のみなさまには、本書に納められたエッセイをクスッと笑いながら読んでいただいく中で、日常的な表現に隠されてはいるものの、よく観察すると思わぬところから滲み出てきている日本語の不思議を体験していただければ大変うれしく思います。
岸本秀樹
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